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リリリリリ……
 
ジジジジジ……

キュッ キュッ ……




あたりが少しずつ暗くなってくると、
虫たちの声がよく耳に入るようになる。



その心地よく静かな合唱のすきまから、


パチッ パチッ という
火が焚ける音がする。




ゆらゆらと揺れる火を見つめながら

「自分たちがどういうところに住まわされているかを考える」

という町口覚さんの言葉が頭のなかをグルグルしていた。








この日は、津南町の農と縄文の体験実習館なじょもん内の縄文村にて

グラフィックデザイナーの町口覚さん
写真家の田附勝さん
津南町教育委員会 苗場山麓ジオパーク推進室長の佐藤雅一さん
によるトークショーがありました。



町口さんと田附さんは
俳優・東出昌大さんの写真集『西から雪はやって来る』の撮影で津南町を訪れ、
その際に津南町の歴史に詳しい佐藤さんに
案内していただいたご縁で、
今回トークショーが開催されたのだそうです。



地方の、さらに山奥の町で
自宅から車で5分の距離の会場で
このようなデザイナーさんや写真家さんのお話が聞けるなんて!


さらにたき火を囲んで……
というなんとも贅沢なロケーション……。


恥ずかしながらお二人のことは詳しく知らなかったのですが
この町を選んで撮影されたのはなぜなのだろう
どんなことを感じたのだろうと
とても気になってお話を聞きに行きました。



グラフィックデザイナーの町口さんは
この写真集を作るにあたり、東出さんに

「頭で考えるな、身体で掴め」

と話したそう。



そうしてここ津南町、群馬、東北という北国を巡る旅に出たのです。
そしてその旅のあいだ、町口さんは東出さんに
毎日日記を書くようにお願いをしたのだそうです。



感じることを感じ、
日記に書くことで身体化につながる。
身体化されることで、
からだの中からことばが出てくる。


トークショーの中で町口さんはそう話していました。



あぁ、それってこのブログを書くことと同じだなぁと思いました。



日々の暮らしの中で、
心地いいと感じたこと、もやもやしたこと、
様々な感覚を受け流さないでメモ帳に書き留める。


そうすると、いざブログを書くときに
自分の中でしっくりくることばに変わっていたりするのです。



さらに町口さんは

この地にいると、どうしても感じちゃう。
表情として出ちゃうんだよね。

ともおっしゃっていました。





確かにこの地域に暮らしていると
虫の声、鳥の声、
風の冷たさ、あたたかさ、
山の色の移り変わり……と

感じずにはいられない環境があると思うのです。




そういう環境に身を置いていると
そうやってインプットしたものを
アウトプットしていかないと
自分のからだと心もいっぱいいっぱいになってしまうのでしょうか。


それが「表情に出ちゃう」ということなのだと思いますが、
表現せずにはいられないのです。



そういう環境に住まわされているということ
しあわせだなと改めて。
























津南町の竜ヶ窪
沖ノ原遺跡
見倉大栃
農と縄文の体験実習館なじょもん
が撮影場所になっています。


俳優・東出昌大の写真集というよりも、
ロードムービーのように進んでいく一冊。
東出さんのファンでなくても楽しめる
アート作品だと思います。